Universe

Universe 伊藤民絵 作品展

2015年 1月 6日(火) ~ 1月24日(土)、池袋の梅舎茶館様にて展示会を開催させてもらいました。 

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このたび、梅舎茶館様にて作品展を開催させてもらうことができました。
ほんとうにありがとうございます。

民絵屋アルバムやブログを通じて、天使の絵の画像を観てくださっている方にも、生の絵を観ていただける機会を作ることができたらなー、という思いが出発点でした。
その気持ちを知ったteruさんが「梅茶舎館さんに紹介しましょうか?」と申し出てくださり、2013年11月に梅舎茶館さんで開催されていたteruさんの展示会にお邪魔しまして、
そこで店主のヨーダさんに初めてお会いしました。

その時にヨーダさんから「天使の絵以外で展示会をしませんか?」と提案してもらいました。
正直戸惑いました。
生の天使の絵を観てもらう機会を作ろうと思っていたので、内心は「あわわわわー。」となっておりましたが、気づいた時には「よろしくお願いします。」と返事をしていました。

なぜなら、ヨーダさんの「新しい民絵さんを観てもらいましょう。」という言葉に、不安と共に心がぴょこんと跳ねたからです。


しかし、そこからはかなり悩みました。
自分の描きたいものは何か、を見つけ出さなくてはいけなかったからです。
いえ、「描きたいもの」は案外すぐに見つかり、3枚ほど描いたのです。
しかし、どうもそこから上手く続きませんでした。

そこで、また一から考え直し、スケッチブックにモチーフとなりそうなものを思いつくまま散々描き散らかしました。
それが2014年の春の頃でした。


実は、ヨーダさんにお会いした時に、「妖精とかもいいと思いますよ。」とアドバイスを受けておりました。
ですので、妖精をたくさん描いてみたのですが、どうもしっくり来なかったです。
それでもしつこく描き続けていたら、ゴールデンウィークの頃に、「花鳥風月」みたいな妖精の絵はどうだろう?と、ふいに思いつきました。
パズルのピースがピタっとはまったような、そんな感覚になりました。
そこから、花、鳥、風、月、光、星、火、水……と、絵のテーマを決めて少しずつではありましたが描いていくことができました。


そして、ある程度の枚数が出来上がった時に、展示会のテーマが「Universe」と決まりました。





何百枚と描いてきた天使の絵ではなく描きたいものを自由に描いてください、と言われても、すぐに形にならずにジタバタしてしまったことは、良くも悪くも大人になったのだと思い知らされました。
毎日毎日描きたいものばかり描いていた子供の頃の自由さを、完全に失ってしまったわけではないのですが、どこかに置き忘れてしまったのだとハッキリと自覚することになりました。

けれども、枠を作ることや、体裁もそれなりに整えることは、大人の「ダメな部分」「枯れた部分」では決してないとも同時に思うのです。
おそらく…ですが、子供の頃のような自由さは内側へのベクトルであり、大人の枠は外側へのベクトルであり、両方のベクトルをバランスを保ちながら太く大きなものにしていくことが、私にとっての「精進の道」なのかな、と思いました。

ヨーダさんにお会いしてからほぼ1年をかけて、そんな大事な発見をさせてもらうことができました。


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エーテル


「エーテル」とは、ウィキペディアの説明によると

古代ギリシャにおける輝く空気の上層を表す言葉であり、アリストテレスによって四大元素説を拡張して天体を構成する第五元素として提唱された。
これはスコラ学に受け継がれ、中世のキリスト教的宇宙観においても、天界を構成する物質とされた。

と、あります。
また、19世紀まで物理学の世界では光が伝播するために必要だと考えられていた媒質をエーテルと呼びました。

幽界のことを「エーテル界」と呼ぶ場合もあるようです。


この現象世界をアプリケーションだとすると、そのOSにあたる部分を絵で表現してみたいな、と思って描いてみました。
さまざまな色彩と波紋が流れるように、かつ、なんらかの法則性をもって動き続けているような世界…というイメージです。
そしてそれらは薄いヴェール1枚隔てた「向こう側」みたいなもののように感じます。






このシリーズで最初に描いたのが「花」でした。
しかし、この絵ではありません。
とても気に入っていた絵でしたが、もう少しお花に力がある絵にしたいと思い、最後の最後に新しく描き直しました。

私自身は、花の種類もよく分かっていませんし、花の名前も少ししか知りません。
花を育てることも下手です。
けれども、花という存在は好き……と言いますか、この世に花という存在があって良かったと思うのです。

花を動物である人間が美しいと感じるのは、花が種子植物の生殖器官であるためで、目立つ色や形で昆虫や小動物を引き寄せて花粉を運んでもらって受粉をするためだという事実も私は好きです。





スケッチブック鉛筆で思いつくままに描いている時は「大空を飛び回る鳥」だったのですが、我が家の庭木にとまっている小鳥の姿がふと頭に浮かび、このような絵を描きました。
我が家で観察される小鳥たちの実態は、小さな毛虫をついばんでいるというものが多いのですが、ただ木にとまっているだけの時は妖精と一緒に和んでいる…と想像するのも楽しかったです。
他と比べてかなりふわんとしている絵なので、今回の展示会に出すのはやめようと思ったのですが、娘が「かわいいから絶対に展示して!」と言ってくれて、展示させてもらうことになりました。



火と水



この2枚の作品は、対となっています。
エーテルから発生したのが、まず陰陽のような相反する区別だと感じ、火と水という対の作品を描きました。
同じものが正反対のベクトルを持つことによって現象界の基礎が成り立っている…というイメージになっています。

この絵に関するエピソードは、ちょっとハードなものなのですが……。
その日は、ご注文いただいていた天使の絵を1枚描いて、もうそれだけで疲れていたのですが、何故かこの火と水のインスピレーションが沸き上がり、どうしてもその日のうち(それも子供たちが学校から帰ってくる前!)に描いてしまわなければ気が済まない状態になり、描き上がった後は心身共にヘロヘロになってしまいました。
ものすごく「強い絵」を、それも2枚も同時に描いたので疲弊するのも当然でした。

すると、翌日のお昼に、御嶽山が水蒸気爆発を起こしました。

御嶽山というのは私にとっては多少なりともご縁のあるお山だったので、お山の変動のエネルギーを無意識に感じ取って、このような絵を生み出すエネルギーとして利用させてもらっていたのかもしれないなぁ……と、思ったのを覚えています。







大地を描くために、地球をそのまま描いてしまっては面白くないと思い、大地の周りを太陽が巡るという天動説的な世界観を描きました。
しかし、その大地も浮遊する器のようなもので、我々が今このように生きているというのは、まるでゆりかごのような浮遊する器の上で夢を見ているようなものかもしれないと、そんなふうにも思います。
「地のエレメント」が足りない人に、それらを補充する絵にもなっているように感じています。






もともとは「地」を描こうと思って描き始めたのですが、だんだんと予想とは違っていき、樹がメインの絵になっていきました。
これはいわゆる「知恵の樹」みたいなものだな、と思い、林檎をいくつか描きました。
そして、4枚羽の存在が1つの林檎を手にして飛んでいる絵になりました。

この絵を描いて1カ月ほどした頃に、たまたまこの記事に辿り着きました。
http://seikou-me.sakura.ne.jp/page/cat21/cat111/716.php

知恵の木は五感を表しており、本当は5つの実がなっていたが、
官能を表す蛇がイヴをそそのかし、知恵の実を食べてしまった

という部分を読んで驚きました。
私が無意識に樹に描いた林檎が5つだったからです。
だとすれば、4枚羽の存在が手にしている林檎は第六感を表しているのかもしれないなー…なんて、思ったりしました。






光とは、物理的な可視光線であると同時に、「希望」を言い換える時にも使われます。
高次元の存在を指すこともありますし、世界そのものを指すこともあります。
光が眩しすぎることもあるのですが、それでも我々は光のある方向に引き寄せらるものなのだと思います。
そんなイメージを描いてみました。






優しい月を描きました。
子守歌を歌っているような、そんな月になりました。
緊張していた神経と身体がほぐれていくような、そんな優しい月だと感じています。






星とは、願いを聞いてもらうもの…というイメージがあり、そのままを絵にしました。
航海の道しるべであった星は、今でもその観測を通して宇宙の姿を私たちに教えてくれます。
広い世界を進む時はいつでも星は我々にとって欠かせないものなのでしょうし、「願い」というのも人生を歩む上でとても大切な目印なのだと思います。






この絵はとても難産でした。
実は4枚も風を描きましたが、どうしても納得がいかずにすべてボツにしました。
今回は風は描けないかな…とあきらめかけていたのですが、大きな台風が通りすぎた翌日にようやく描くことができました。
そよ風のような絵を描こうとしていましたが、描くべきは力強い台風のような風だったのか、と、出来上がってヘトヘトになりつつも、充実感いっぱいでこの絵を眺めました。
この絵は、遠くまで連れていってくれる絵だと思います。






海の生物といえば……クジラかイルカか……ダイオウイカ?
なんて思ったのですが、人魚を描きました。
海というのは、無意識の世界も象徴しているように感じるのですが、その深いところに大切な宝物があるような気がしています。
その宝物に辿りつくためには、「人間」のままではダメで、どこかがうまく変容しなければ潜ることもできないように思います。
そういう意味でも人魚というのはピッタリのような気がして、描きました。
頭では理解していても、なかなか自分の深い部分に辿り着けない人をサポートする絵になれば、と思います。




2 件のコメント:

  1. あすケット2015年1月27日 18:13

    たみえ さん

    あすケット と申します<(_ _)>
    『梅舎茶館』 での展示会、お疲れ様でした。
    たみえさんの絵を直に見る事が出来、
    また、ご本人に会えるなんて、本当にラッキーでした。

    当日、ノートにも書かせていただきましたが、
    たまたま、あそこから近い所に住んでいまして、
    展示会のお知らせを運よく見かけて、
    「行かねば!」 と思って出かけた次第です。

    いつも金欠ですが、いろいろあって、
    経済状況が寒い状況で・・・。
    行った時は、 正直、売切れてて良かった~と思いました(・_・;)
    案の定、直に見たら、 かなり欲しくなってしまいましたので orz

    梅舎茶館は初めて行きましたが、
    お茶が高いので、ポストカードだけ買って帰ろうかと思っておりましたら、
    話しかけて下さった方と話し込んでしまい、
    結局お茶もオーダーして(美味しかった…w)
    結果的に たみえさんともお会いする事が出来ました。

    お茶を飲んだので、ポストカードをあきらめようかとも思ったのですが、
    ポストカードだけでも部屋に飾りたい
    という気持ちが湧き上がってきて、
    引き返して買ったという、ケチな自分が嫌になります・・・(-_-;)

    実は、私もかなり出不精でして・・・w
    家が近いと言っても、かなり行く気にならないと出かけない私です (>_<)
    出不精と出不精の対面は、本当に奇跡的ですね(ぉぃ

    いつか、たみえさんに絵を描いてもらいたいなー
    なんて思いながら、月日だけが流れていっております・・・( ̄- ̄;)

    たみえさんからの 光と天使が
    受け取るべき人の元へ届きますように☆
    たみえさんとご家族が いつも光いっぱい幸せでありますように☆

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    1. 先日はどうもありがとうございました♪
      や~、出無精と出無精の奇跡の出会いだったんですね!
      お店に来てくださって、ありがとうございました。
      ポストカードもご購入くださり、ありがとうございました。

      いつかあすケットさんのための絵を描く日が来ましたら、思いっきり描かせていただきますね♪
      ふっふっふっ。

      ほんとうにありがとうございました♡

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